6/13, 6/14に開催されたオープンソースカンファレンス2014 Hokkaidoに参加しました。
今年はたくさんのセッション、ハッカソンなど色々と楽しみました。
6月13日(金)
【基調講演-竹内 郁雄先生-】未踏の過去・現在・未来
「未踏事業の必要性は認知されているが未踏事業の認知度が低い」という問題提起から始まり、未踏出身者の方々の活躍、おもしろいエピソードの紹介、そして最近の活動まで、未踏事業についてたっぷりと聞かせていただくことができました。
IPA 独立行政法人 情報処理推進機構:突出した若手人材
未踏出身者の方々は一風(どころじゃない)変わった強い個性を持った人がたくさんいらっしゃる、面白そうな世界でした。
現在の教育現場や行政について、IT技術者を育てるのには土壌が育っていないという問題はありつつも、重要なこととして
- 大きな夢を持つ
- 好きなことをやる
- 楽しむ
という3つをあげていました。
これは普通のエンジニアとしても忘れずにいたい事です。
6月14日(土)
午前中はオープンデータハッカソン2014の見学をしたりと、のんびりした感じで参加。
昼からセッションを聴講しました。
OSC北海道企画 – みちのなかにいる
現在北海道のIT系コミュニティを運営している人達のお話。自分がコミュニティに関わっていることもあり、どのような気持ちでコミュニティを創っているのか、気になっていたセッションの一つです。
「Ohotech 北見で遊…学ぶIT系コミュニティ」金沢 実さん
少し遅れて会場に入ったら、クリオネ?(のコスプレ)がいてびっくり。
「ITに詳しくない人達にもITに触れてもらう場所と時間を作ろう」という背景はとても良いなあ。
一度もOhotechに行ったことがないので、美味しいものを食べに北見、行きたい。
このプレゼンは、次の発表者の@tomio2480くんからの辛辣なツッコミまでが発表だったんだと思う。
「富良野でもIT系お遊び~FuraIT(ふらいと)~」西原 翔太さん
富良野に就職し、一人でFuraITを立ち上げた@tomio2480くんはすごいと思う。
「やってみていること」として挙げていた
- 黙っている子に「わかんない」と言わせる努力をする
- 調べたいときに調べられる環境、わかんないままにしない
- 「興味がある」ということの裾野をゆっくり、噛み砕いて紹介する
- 調べたくなる・やってみたくなる・そそのかし方
これって、やれたら良いと思うけど、実践するのはとても面倒で、可能な限り楽な方に逃げちゃいがちなのだけど、正面切って”こうやりたい”と言い切っていたのは、刺さった。
FuraITは、今まで開催された日がどれも北海道にいない時だったという不運。
きっと日程があう時が来るはず。そのときは。
「せきゅぽろ 道はつながっている」八巻 正行さん
せきゅぽろ代表の八巻さんが、活動内容や理念を紹介。
せきゅぽろには何度か参加しているのだけど、「全員自己紹介をする」「必ずお菓子が出る」というのが大きな特徴(もう一つ「学生であってもイベントを無料にしない」というのもある)。
この「お菓子を出す」ことにも色々な意味があったんですね。
確かに、はじめてせきゅぽろに参加したとき”お菓子楽しみにしています”と自己紹介した記憶があります。
- “人と人を” つなぐ
- “明日の仕事・明日の生活へ” つなぐ
- “技術者・若手を全国へ” つなぐ
- “技術と心を次の世代へ” つなぐ
- “親子と家族の安全を” つなぐ
“道の中にいる”者として様々な関係の橋になりたい、と話されていました。
「Kawaz いどのなかにいる」ぎぎねっとさん
ゲームを中心に何か面白いものを生み出したい人が集まっているコミュニティ。
アクティブメンバーが50人というのにびっくりしました。
Global Game Jam (GGJ)の参加・運営もしています。
普段全くゲーム制作には関わらないので、ゲームと普通のプログラミングの相違点を聞けたのが刺激になりました。
- ゲームは一人では作れない「コラボレーション」の文化である
- 「有用なムダ」と「無駄なムダ」がある
- 「仕様通りにできたのにだめ」ということが他のソフトウェア以上に多い
- 無駄なムダを解決するのが技術
また、無駄を解決する方法として以下を挙げていました。
- 正しいノウハウの共有
- 巨人の肩に乗る
- プロジェクト管理を改善する
- 開発基盤を改善する
この意識はゲームではない開発現場でも共通していますね。
セキュリティインシデントの現場から – 折田 彰さん
セキュリティインシデント事例を3件紹介していただき、その後「インシデントが起きたときにどういう調査をすれば良いのか」というお話をしていただきました。
立ち見が出るほど大盛況。(そして今回もお菓子をいただきました!)
攻撃側もログをはじめとする痕跡を消そうとするわけなので、インシデントが発生した場合、メモリ内にある揮発性(消えやすい)データを早めに確保することが重要、ただし、正確に・安全に収集して保全すること(攻撃者はログの収集にトラップをしかけていることもある)。
その他、不揮発性情報(ハード保存)・タイムライン分析のお話等。
攻撃者とサーバー管理者の知的戦争は年々高度になっている気がします。
デザイナーの作業効率化のために!Sassの導入とCSS設計 – 長谷川 広武さん
SassはRailsで開発をするときに使っているのだけど、「CSSをちょっと便利に書ける」くらいのイメージしかありませんでした。
だから、Sassについてもっと知りたい…と思ってセッションを聞きに来たのですが、今回のハムさんのお話では、Sassそのものよりも「CSS設計」の話がとてもためになりました。
なぜいつも、自分で作り始めるWebページって終わりの方でCSS管理が崩壊するのだろう…という長年の疑問に答えが。
「CSSも設計が必要」なのですね。
必要になったものを書いていくだけで、全体を見通した設計って考えたことなかった。
CSS設計には「ストラクチャタイプ」「モジュールタイプ」「オブジェクトタイプ」があり、自分が無意識にやっているのはストラクチャタイプ、からのモジュール後付け崩壊タイプ、であることがわかった。
Bootstrap等を使うようになって、オブジェクトタイプの便利さがわかってきたので、次の開発からCSS設計についてもちゃんと考えていきたい。
【基調講演-竹内 郁雄先生-】「ハッカーの遺言状」ライブ
サイボウズ式で連載されている「ハッカーの遺言状」。
この徒然なるままな感じをライブで、という基調講演。
メモを見返すと、料理メモみたいになっている….
「鴨 うまい」って書いてあった。
しかし、料理の話をしていたはずなのにこんなにたくさんのキーワードが出てきた。
- 並列プログラミング
- 逐次性・条件分岐・繰り返し
- アジャイル
- IO機器
- 同期と排他制御
- 乾燥データ・ツール・ライブラリ
- ツール
- 順序・アルゴリズムの問題
- キャッシュ
- パイプライン処理(ダブルバッファリング)
- セキュリティ
- ビッグデータ
- リバースエンジニアリング
- オープンソースは腐りやすい
プログラムを何も知らない人にどう説明する?- 料理が一番よい例えというのが今まで以上にしっくりきてる。
「料理」「プログラミング」という会場にいた人達にはなじみ深い2つのものに例えて進めてられる話が本当に面白くて、竹内先生のお話をもっとずっと聞いていたいと思いました。
閉会式 LT
3分間に濃縮されたLT。3分という短い時間だったのが残念でした。5分できっちり聞いてみたいのが多かったです。
閉会式では、もう少しLTの時間がきちんとあるといいなあ。
全体的に時間が押していたのか、とても慌ただしい印象で、見ているこっちもそわそわしてしまった。
とはいえ、LT発表者の皆様はほぼ3分にきっちりおさめようとしてきていて、さすがだなあと。
個人的には「Linuxにおける仮装デバイスの実装とその高速化」のタイトルと内容のギャップにやられました。
きっちりじゃんけん大会(負けた)までやって、満足して帰宅。
楽しい時間でした。
この時間を生み出してくれた講演者の皆様、スタッフの皆様に感謝です。
ありがとうございました。