8月8日に開催された、アジャイルソフトウェア開発セミナー2013in札幌 に参加しました。
会場は全日空ホテル。とても大きな部屋でした。
今年は、東京からお招きした講師だけでなく、札幌の事例紹介も交えた発表があり、とても楽しみに参加しました。100人規模の会場で、アジャイル札幌のメンバーが話すとか、かなり感慨深かった…
「いま、できるアジャイル」 角 征典さん
- アジャイルとは何か → これ、と答えにくい
- 元々いろいろな開発手法がたくさんあって、それをまとめるために「アジャイル」という言葉ができた「アジャイルアンブレラ」
- ハッカー 「そんなの当たり前じゃん、ハッカーがずっとやってきたことじゃん」
- ハッカーの秘伝のたれがうまくまとまって、アジャイルという名前がついた
- 作りたいから作るように、オープンソースやハッカーの叡智を学べ
- ハッカーはアジャイルの考えを身につけて直感を研ぎすませ
- アジャイルの本、あまり役に立つとは思わない、ハッカーの考えを知った方が面白い
- Team Geek
- ソフトウェア開発の現場に本物の天才はいない
- ソフトウェア開発はチームスポーツである
- 三本柱(HRT) はハッカーも例外ではない
Team Geekはとても良い本です。
ハッカーと画家はいつか読みたい本の一つ。
「アジャイルサムライ・アンド・ナウ」 角谷 信太郎さん
- Lean ビジネスの人たちにアジャイル開発の人たちの考えが届くようになった
- XPは爆発してしまった
- アジャイルさ という 度合い
- アジャイルという言葉が使われずに、普通のソフトウェア開発になってほしい
- ソフトウェアは建築ではなくてガーデニングに近い
- 人間が関わって、人間が作って、人間が使う ということを重視
- Code, Community, Culture by @miyagawa
「アジャイルは形容詞であり、度合いである」という言葉は、自分の根幹になっていると思う。
だから、角谷さんのアジャイルの話は定期的に聞きたいと思うのだなあ。
「変革し続ける組織を目指して~アジャイルなソフトウェア開発から学んだこと~」 鈴木 淳司さん
札幌の事例紹介。
チームメンバーから「リファクタリングやめませんか?」と言われた時の話。
「ソースコードの品質を一番に考える」
「コード品質こそすべてを勝ちとる近道だ」
「きれいなコードで世界を変えよう」
という思いをチームで共有していただけに、言われたときはかなり当惑したとのこと。
そこからの話し合い、学び、次へのステップを語ってくれました。
チーム内で問題点を話し合い、「時間の宣言と制限」「ドメインモデリング」という試みをすぐに試してみる、という行動力はさすがだな、と思いました。
- 最高に良いと思っていることでも変えてみなければ、体験しなければわからないことがある
- 向上心があり、同じ思いを持って真剣に意見をぶつけ合えば、間違いに気づくと「信じている」
- やってみないと間違いにも気がつかない
- 変化を恐れず、向上心を持ち続け、変わり続けること!!
「自分たちが次のステージに上がった感じがした」という言葉が印象的でした。
「大きなチーム、大きな仕事 ~ 大規模アジャイル開発のいま」 前鼻 毅さん
「札幌の現場でいきいきと」働いています、という前鼻さん。
実際どういう形で働いているのかというのは初めてお聞きした気がします。
日本全国各地 のメンバーが、「機能ごとのチーム」「横断的なチーム」「仮想チーム」と色んな軸に分けてチーム分けされプロジェクトを運営しているとのこと。(地域をまたいだチームもある)
札幌チームとしては2週間を1イテレーションとして(全体では1ヶ月が1イテレーション)
このチームも「すべてのラインを止めてでもその場で即修正すべき」「すぐその場で言って、すぐその場で直す」というフットワークの軽さを大事にしていました。
- 人生は習慣の織物
- ゴールは明確にしておくがきっちりきっちり線は引かない
- チーム間のスキマに気をつける
- “Ready”の条件をしっかりつめる、スタートダッシュの条件
- チームを変えるのは自分とチームの人しかできない
- 気持ちをそろえる
この後、全員が登壇しての質疑応答タイムがありました。
良い質問がたくさん飛び、特に事例紹介ではためになる質疑がありました。
とても充実したセミナーでした。
関係者の皆様、ありがとうございました。