4月18日(土)に開催された、Agile Japan 2015 サテライト<札幌>に参加しました。
昨年までは、アジャイルジャパンと同日、同時開催で基調講演を中継していたのですが、今年は週末にずらしての開催です。
基調講演を録画した動画を見た後、札幌特別基調講演として前鼻(@sandinist)さんにお話いただきました。
和室でゆっくり(少し足腰が疲れましたが)まったり良い時間を過ごすことができました。
基調講演1 アジャイル・テスティング 〜 チーム全体のためにテストとテスターができることを学ぶ旅
「実践アジャイルテスト」の著者の一人、Janet Gregoryの来日講演。
“少人数・FaceToFaceのチームでアジャイルを導入すればうまくいくのはわかった、では遠隔地の場合どうすればいいのか?”を主たるテーマとしてお話してくださいました。
顔が見えないからこそ余計に、「信頼」「コミュニケーション」「相手の側に寄り添う」「質問力」などが重要になるとのこと。
特に、「信頼」の作り方の話で “信頼関係は同じ経験を共有した相手との間に生まれる” とお話していたのが印象的でした。
確かに同じ経験(苦労・楽しいこと・乗り越えたこと etc.)をした”仲間”との間には信頼関係がある(と思っています)。
では、今後このような信頼関係の輪を広げるにはどうするべきか。同じ経験をする人を増やしていく必要がある。
最近、新しい環境や関係に飛び込むことが少ないので、思い切ってもっと外へ漕ぎ出していきたい。
また、「コミュニケーションツールとしてのテスト」のお話も興味深かったです。
“このシステムはこの場合、どう動くべきなの?” というテスター側の問いから、開発サイドとのコミュニケーションを図るやり方。予測される試験結果の共有からシステムについてメンバーじゃんで共有を生んでいくの、良い。
紹介されていた自己紹介ゲームはアイスブレイクでやると面白そうだなあ。
実践アジャイルテストの続編「More Agile Testing」が出ているそうです。翻訳版ももうすぐ?
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基調講演2 デジタル革命には アジャイルがよく似合う
東京海上日動システムズ株式会社 横塚裕志氏による2つ目の基調講演。
ビジネスを創出する立場にある方から見た、デジタル革命社会の乗り越え方について。ビジネス視点・マーケティング視点からのお話でした。
「デジタルビジネス革命」により、今までと産業形態が大きく変わっていく未来が見える中、どうやって生き残っていくべきか。
写真フィルム・新聞・保険見積もりなど、デジタルに置き換わり消えゆく産業がたくさんある。そんな中イノベーションを起こすための活動には「アジャイル」がぴったりであるとおっしゃっていました。
アジャイルというよりはリーンスタートアップなのかなあ。
マーケティング的プレゼン(体育会系というか、べき調が多く、熱量高い感じ)に圧倒されました。
自分はそうは思わないなあと思うところも幾つか、けっこう、ありましたが(例えば「要件定義書なんていらなくなる」という意見、たぶん”要件定義書の定義”が違うのだろうなあ)、「エンジニアもビジネス的視点を持つべき」「顧客目線でビジネスを考える」「長期予測を立てる時間があったら3年先を考えて都度見直せ」などは、納得。
「今後デジタル化がどんどん進み、人間の全ての行動がデジタルに記憶され、それがビックデータとなり解析されることで、新たなビジネスの形態が見えてくる」とお話されていましたが、自分がそういう社会に向かっていってほしいか、というとあんまりいきすぎて欲しくないなあと思いました。
技術は人間が便利になるために発展していってほしいと思っているので、人間の行動を管理したり制御したりはしてほしくない。
札幌特別基調講演 育てる!かんばん
最後の講演は、我らがアジャイル札幌の前鼻さん。
ちょうど1年前からチームに物理的な「かんばん」を導入した経緯と変遷、現在の状況を発表してくださいました。
まさに「生きているかんばん」のリアルなお話を聞けました。
チーム全員でかんばんを育てていっている雰囲気がすごく良かったです。
話を聞きながら、私のチームの瀕死のかんばんのことを思い出しました……
チームのかんばんを活かしていこう、と考え直すきっかけをもらいました!
あっという間に時間が過ぎてしまいましたが、こんな時どうするの?という具体的なお話をもっともっと聞きたかったです。
ふりかえりとアジャイル宣言
講演を全て聞き終えた後、講演の感想や今の現場でうまくいっていること/いないことについてグループでふりかえりをしました。
はじめまして、の方も結構いたのですが、このふりかえりの時間があってとても良かったです。
講演内容って1人でもやもや考えるより、人と話した方がいろんな考えが見えてきて整理されました。(その後の懇親会も重要でした)
次回があれば、基調講演についてふりかえって話し合う時間は確保していってほしいと思います。
経験を共有する人を増やすために、いろいろな場所に飛び込んでみること。
とりあえず作ってみたJenkins環境が今のプロジェクトのCIに役立っている経験から、出来そうなことはまず手を動かしてみること。
改善は後からでもできるから、稚拙でもいいから土台を準備すること。
そんなことを今年は頑張っていきたいです。
過去の「アジャイルジャパン 札幌サテライト」についての記事はこちら→
Agile Japan 2014 札幌サテライトに参加しました
アジャイルジャパン2013 札幌サテライトに参加しました
アジャイルジャパン2012 札幌サテライトに参加しました
(2011年が初参加だけどブログ記事なし)