TeamGeek 読書会@札幌 -2を開催しました

12月16日(月)にTeamGeek 読書会@札幌 -2を開催しました。
年の瀬ということもあり、参加人数は2名(途中から3名)でしたが、充実した内容の読書会となりました。

今回は「1章 天才プログラマの神話」を読み終えました。後半のHRT(ハート)に関するところが中心です。

話したこと

あらゆる人間関係の衝突は謙虚・尊敬・信頼の欠如によるものだ
私はすごく納得したのだけど、「すべての人間関係の衝突が悪いことではない」という意見が出たことで、ここでいう「衝突」について、再度意味を考えてみました。
「衝突したまま終わってしまった状態」は、人間関係も悪い状態で終わったり、関係を継続できなかったりするのでよくない。そのような衝突が起きた場合にお互いがHRTを尊重することで「前向きな話し合い」に変化させられるのではないか、という話をしました。

「HRT」と「馴れ合い」の違い
「技術的向上を目指さない集団でHRTが実践できている、ということがありえるだろうか」という話題から。
それって「馴れ合い」じゃないかな、という話が出ました。
チーム自体が無知だったりすると、自分たちはこれでいいのだとなってしまう危険もあるかもしれないなあ。
馴れ合いになっているところは「H(謙虚)」が欠けているという見方もできます。
結論としては、技術的向上を目指すこと(エンジニアスキルの向上)とHRTの実践(ソーシャルスキルの向上)は、あくまでもセットで行っていくものだよね、ということになりました。
この本は「Geek」へ向けた本なので、技術的向上を目指すのは当たり前のこととして組み込まれており、(苦手といわれる)ソーシャルスキルの方をメインで取り扱っているのだね、というところを再確認できました。

HRTの反対語って何になるんだろう?
反対語を考えてみたら、言葉の示すところがより良くわかるのでは?ということでやってみました。

H(謙虚 Humility):
⇔ 傲慢、頑固、過信、自分を抑える、無知、エゴ、完璧主義(完璧にやれるとおもうこと)

R(尊敬 Respect):
⇔ 軽視、馬鹿にするニュアンス、どうせあなたはXXXでしょ、言ってもわからないよね

T(信頼 Trust):
⇔ 不信、コントロール・指示、どうせできないんでしょ、自分がやった方が早い、任せられない

反対語を考えてみると、この言葉はどっちの反対語ともとれる、ということが起きました。
それぞれが密接に関わり合っているのですね。
だから、全体的な底上げをしていくことで、それぞれを頂点とする三角形を大きくしていくことを考えることになるのかなと思いました。
一つだけ良くしようとすることは無理で、どれかを実践しようとしたら、自然と他のことについても実践されていくのだと思います。

HRTの実践が難しいと感じる場面

  • 顧客に対してのRが抜けがち
  • SIer的なお仕事の場合の技術的な面でのR
  • できない人・向上する気のない人相手のHRT
  • 既に現場にいない人が書いたコードが酷かったときに「書いた人」への怒りが…

今、ここで、正しいことをやる「べき」なのか本当に
今回出てきた中で、心に残るキーワードとして「戦場を選ぶ」というものがありました。
実践した方がよい「正しいこと」はたくさんある、しかし、今、周りから煙たがられても正しいことを一人で貫くのがよいのか。
「べき論」ですべてに反対する事、自分の意見を押し通すことはHが欠けているのではないか、たとえそれが「正しい事」でも、エゴなのでは?

「戦わない」のではないのです。「戦う時期・場所を選ぶこと」「負け戦にならないこと(戦いたい事があるのであれば、きちんと組織・チームと”うまくやっていること” “むやみに反発していないこと” も重要)」、こういう事を考えて、普段から話を聞いてもらえるような関係を築く事も大切。

正しい事が常に正義ではない、というような感じ。
この辺りは、次章の「チーム文化」にもつながっていくはずです。

読書会の進め方

今回は、次のような形で進めました。

  • 1回で黙読する量を長めにとり
  • 付箋とペンを用意し、気がついたことを書きながら読み進めてもらう

やってみると思ったよりも読書会が進めやすく、この読書会のように少人数(最大5人程度)の場合には最適だと感じました。

  • みんなが興味を持った部分がわかる(同じキーワード)
  • 黙読する量を長めにとっても最初の話題が忘れられることがない
  • 少数であっても引っかかった部分は話題にあがる
  • それぞれが付箋を書く・付箋を説明することで考えを整理できる
  • 議論のきっかけをつかみやすい(付箋によって自然と話が進む)
  • 付箋の整理などを行うことで読む速度の違いを吸収できそう

大きく参加人数が変更しない限りは、この方法を続けていってみようと思います。

次回は1月29日(水)開催です。申し込みページを作成済です。
2014年、この読書会を完走することを目標の一つにしようと思います。

Team Geek ―Googleのギークたちはいかにしてチームを作るのか
Brian W. Fitzpatrick Ben Collins-Sussman
オライリージャパン
売り上げランキング: 6,493

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください